小さい頃のマクドナルドでの記憶。
私は保育園に通っていた頃、よくマクドナルドにお母さんとハンバーガーを食べに行った。
私はマクドナルドにある遊び場プレイランドが大好きで、そこに行き遊ぶのは、当時ではアンパンマンショーを見るくらい嬉しかったことを覚えている。
ある日、お母さんと一緒にマクドナルドに行き、ハンバーガーを食べ、遊んできて良いよと言われて嬉しくてうずうずしてプレイランドに行き一人で遊んでいた。
子供というのは不思議だ。一人でも永遠に飽きることなく遊ぶことができる。ただ場所を行ったり来たりしているだけなのに面白い。無我夢中で一人で遊んでいた。そこは田舎のマクドナルドだったので、あまり小さい子も来なくて独り占めできて、私はとても嬉しかった。
その日、私より2歳ほど年下の男の子がプレイランドに来た。
私はおいおい、誰か来たよと思いつつも、まぁいっかと思ってその男の子を気にせずに一人で遊んでいた。
ただ、何を思ったのだろう。私は突然、その男の子と初対面で何も話したことないのに自然と一緒に遊び始めたのだ。
恐るべし子供のコミュ力。
いや、コミュニケーションも取っていない。
子供同士で通じ合うノリ??
何なんだろう。子供は大人には考えられない謎の力を持っている。
私はその子を、当時NHKで放送されていたからだであそぼに出演していた子役の名前を借りてタイキと勝手に名付けた。何故、タイキと名付けた?当時の私。何故名前を聞かなかった?何故タイキくんは私に何も言わずに一緒に遊んでくれた?
本当によく分からない。
そのあとタイキくんとは何も話を特にしていないのに、一緒に遊びまくった。1時間くらい遊んだ。仲良くなった。何も話していないのに。
その後、お母さんに帰るよって言われた時、私はタイキと別れるのが悲しかった。泣いていた。タイキも泣いていた。
本当の名前も知らないのに。たいした会話もしていないのに。1時間一緒に遊んだだけなのに。何故か2人とも泣いていた。
その後何回かそのマクドナルドに行ったが、タイキに会うことはなかった。
この後もし会っていたら一本小説が書けていたかもしれない。(いや、そんなことはない)
タイキくんは今何をしているのだろう。
私はそのマクドナルドの前を通るたびにこの記憶を思い出す。
子供の時のこういう記憶は何故か頭の片隅に残っていて不意に思い出すものだ。
今日は不意に思い出したのでここに書き留めておこうと思う。